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2019年08月24日

2019年8月24日、鹿児島県の新聞、南日本新聞の誘致断念に関する記事です。




鹿児島県の新聞、南日本新聞の誘致断念に関する記事です。


南日本新聞 2019年8月24日

瀬戸内クルーズ船誘致断念
町長「住民合意得られず」

瀬戸内町の鎌田愛人町長は23日、西古見地区に検討している大型クルーズ船寄港の誘致を断念する、と発表した。町内の合意形成が不十分で、住民代表らでつくる検討協議会が求める環境保全と産業振興の両立などの実現が、短期間では困難なことを理由に挙げた。
鎌田町長は記者経会兼で「住民感情等を含め、受け入れ条件の整備は困難。一連の議論に終止符を打ち誘致を断念した」と説明。「町民や各種団体に心配と迷惑をかけた。期待させた西古見の住民にも申し訳ない」と陳謝した。
同地区は、2020年の訪日クルーズ客数目標500万人を掲げる政府方針に基づき、国交省が2017年に寄港候補地として公表した。
町は当初、人口減少が進む町西部の振興につながるとして、同地区住民らの要望を受けて誘致方針を決定。その後、住民間で賛否が分かれる状況を踏まえ、誘致の課題や効果を洗い出すため、昨年10月に検討協議会を設置。国や県との交渉を凍結していた。
協議会は全5回会合を開き、今月10日、クルーズ船客の加計呂麻島入り回避、環境や治安への影響が出ないよう管理計画の策定―などを盛り込んだ提言書を町に提出した。鎌田町長は「西古見地区の貴重な戦跡や豊かな自然を活用した活性化を考える」と述べた。

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奄美の自然を守る会


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2019年08月24日

2019年8月24日、地元紙、南海日日新聞の誘致断念についての記事です。







南海日日新聞 2019年8月24日

大型クルーズ船 誘致断念 瀬戸内町
鎌田町長「受け入れの条件整備困難」

瀬戸内町が同町西古見への誘致を検討していた大型クルーズ船寄港地開発計画について、鎌田愛人町長は23日、「同計画による地域振興策の実現や、住民感情等も含めた受け入れのための条件を整備することは困難」とし、誘致を断念すると発表した。

町役場で記者会見した。鎌田町長はクルーズ船寄港地に関する検討協議会(委員長・宮廻甫允鹿児島大学名誉教授)から今月10日に提出されたクルーズ船寄港地の在り方についての提言書を、「真摯に受け止め、今後のクルーズ観光の基本姿勢とすることは当然」とした上で、「現在進めている西古見への誘致計画は町内の合意形成が不十分な状態にあり、提言内容を順守して進めるには長期の時間を要する。そのような状況の中で議論することは好ましくないという私の判断」と断念を決断した理由を述べた。
今後の西古見集落を含めた町の振興策については「町長期振興計画を着実に実現していくことが重要と考えている。西古見集落の皆さま方には現状を憂い、(クルーズ船誘致の)要望をいただいていたが、大変申し訳なく思っている。西古見には素晴らしい自然、貴重な戦争遺跡がある。これを活用し、住民と話し合いながら活性化に努力していきたい」と述べた。
県には20日に誘致断念を連絡し、県からは「町の判断を尊重する」との回答があったという。
同日夕には鎌田町長自ら西古見集落に出向き、誘致断念を報告した。茂節子区長は南海日日新聞社の取材に対し「町長の決断を受け止める。私たちは集落を何とかしたいと考えて要望書を出したが、町長はいろんな意見を総合的に判断くださったのでしょう。今回の件で西古見に注目していただいたので、今後も目を向けていただきたい」と話した。
同計画は2017年8月、国の「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査の結果」公表を受けて動き出した。町は独自に調査を進め、町内3カ所の候補地の中から、西古見・池堂地区を最適地と判断し、誘致に名乗りを上げた。
一方、町民への説明不足などを背景に、町内外で誘致に反対する団体発足や署名活動の動きが広がった。誘致の賛否で対立の構図ができ、事実に基づかない情報が錯綜するなどして町は混乱した。
クルーズ船寄港地に関する検討協議会は町内各種団体代表や学識経験者など19人で18年10月に発足。5回の議論を重ね、鎌田町長に▽環境保全と産業振興を図る専門家の意見を踏まえた対策の検討▽環境許容量を踏まえた観光管理計画の策定―など7項目にわたる提言書を提出していた。

WWFジャパンが歓迎声明

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン、東京)は23日、鎌田愛人瀬戸内町長が同日発表した大型クルーズ船寄港地開発計画誘致断念の決定について、歓迎する声明を出した。
WWFジャパンは今年2月、同計画誘致に関して見直しを求める声明を発表。6月にも町、国、県など関係機関に対し、計画の見直しと地域の関係者が参加した持続型観光利用計画の構築を求める要望を伝えていた。
今回の声明では、断念決定を「生物多様性条約第10回締約国会議で世界の合意とされた愛知目標と、持続可能な開発目標にも貢献する」と評価。今後も同地域の保全活動への連携協力を進めていく考えを示した。

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奄美の自然を守る会

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2019年08月24日

2019年8月24日奄美新聞 1面と9面の大型クルーズ船寄港地誘致断念についての特集記事です。











奄美新聞 2019年8月24日

瀬戸内町 クルーズ船寄港地誘致断念
鎌田町長「受け入れ条件整備困難」

瀬戸内町の鎌田愛人町長は、23日、同町役場で、町が検討していた同町西古見・池堂地区への大型クルーズ船寄港地誘致の断念を発表した。鎌田町長は「町内の合意形成が不十分で、提言内容の遵守するには長期の時間を要し、住民感情を含めた受け入れの条件整備は困難。一連の議論の終止符を打ち、誘致を断念することを決断した」と語った。

同町西古身地区へのクルーズ船寄港地誘致計画は、2017年8月に国土交通省が発表した「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査の結果」に基づき推進。同年12月に町は県に対し、支援を求める要望書を提出した。
18年10月からは町民の要望を受け、有識者らを交えた検討協議会を立ち上げ。町に最適なクルーズ船寄港地の在り方を協議。今月8日にあった第5回検討協で7項目にわたる提言書を承認し、鎌田町長に提出した。
鎌田町長は計画について、「地域振対策の具現化への焦りから、民意が十分に反映されず、配慮に欠けた事務手続きが行われた」とし、「事実に基づかない内容が町民の間に浸透し、対立構図ができるなど長期にわたり不安と混乱を招いたことに大変申し訳なく、責任を感じている」と陳謝した。
断念理由について、報告書にあった「専門家の意見を交えた適切な対策」、「多様な意見を聴取する透明性のある組織づくり」に長期の時間を要することなどを挙げた。町民の中で賛否が分かれている状況も鑑みたという。
また、今後のクルーズ船寄港地誘致については、「船社などから別の寄港地についての話が出て来た場合も、提言に沿った受け入れ態勢を整えていきたい。現在行っている古仁屋港を利用したクルーズ観光の誘致は積極的に取り組んでいきたい」。今後の西方地区の地域振興については「長期振興計画の着実・確実な実現をすることと、戦跡・自然を活用し、住民との話し合いの中で、活性化を推進したい」とした。
鎌田町長は同日夕方には西古身地区で、住民に計画断念を報告。国・県にはすでに報告済みという。住民説明会の予定はなく、広報誌やSNS、地元ケーブルテレビを通じ、広報する。

解説

計画自体の透明性欠落

鎌田愛人町長は23日、2年前から紛糾し続けた西古身地区へのクルーズ船寄港地誘致問題に「断念」という形で終止符を打った。退かざるを得なくなった背景はさまざまだろうが、計画の透明性の欠落は大きな要因の一つだろう。
計画は瀬戸内町が2017年12月19日に三反園県知事宛てに協力を要請したことで明るみに出たが、町は同年8月から西古見での現地説明会を実施するなど動いていた。〝秘密裏〟に進められていた計画に疑念・不安が募り、18年2月の反対団体立ち上げを皮切りに白紙化を求める要望書や反対署名が町に寄せられる事態となった。
同年3月の町議会定例会で鎌田町長は「慎重さが足りず、多く野住民に不安と心配をかけたことをおわび申し上げたい」と陳謝。町内各地での町政懇談会を経て、同年10月に町民主体の検討協議会を設置した。始終紛糾したものの、動画配信サイトで中継するなど透明性は取り戻されたように見えた。
転機は今年2月に行われた第3回検討協。町の公募に米大手クルーズ会社が手を上げ、動画公開NG・マスコミ各社にも非公開でプレゼンテーションを実施した。せっかくガラス張り化した検討協だったが、重要な部分を公開しなかったことで再び反対の声が広がった。
鎌田町長は23日の記者発表の中で「時間経過とともに、事実に基づかない内容が町民に浸透した」、「町内の合意形成が不十分」などと言及。肝心な部部が見えない状態が憶測での議論を呼ぶのは至極当たり前のことだ。
一連の騒動から瀬戸内町は、政策における透明性の重要性を痛感したはずだ。
今後、賛否の分かれる公共事業を推進する際は今回得た教訓を生かし、疑念を抱く余地のない方法を、その都度考える流れを作ることで町を二分した2年間の責任とするべきだろう。

9面
「英断歓迎」「何らかの振興策を」

瀬戸内町の鎌田愛人町長は23日、町が検討していたクルーズ船寄港地誘致計画の断念を発表した。地域振興の立場からの賛成、環境保全の立場からの反対など賛否の分かれる計画だったが、関係者からは「町長の英断を歓迎したい」、「結果は尊重するが、地域振興策は必要」などさまざまな意見が聞かれた。

計画に反対の立場をとり続けてきた「奄美の自然を守る会」の田原敏也会長(64)は、「大勢の観光客が一斉に押し寄せる大型クルーズ船の寄港は、豊かな自然を魅力とする奄美大島の観光と相いれないことを一貫して主張してきたが、今回、主張が受け入れられ、鎌田町長が計画断念を決定したことを歓迎したい。この英断によって、多くの貴重な動植物などを守ることができたことに感謝している。今後も、奄美の自然を守りながら、地域振興が図られるよう市民団体として様々な形でかかわっていきたい」と話した。
一方、計画推進の立場をとってきた同町西古見集落の茂節子区長(74)は「検討協議会などの提言を受け、鎌田町長が総合的に判断したことなので、計画断念の決定は支持したい」と町長の決断に理解を示しつつも、「町の端にある小さな集落としては、地域振興のため、何とかしてほしいという思いは変わらない。町長には計画断念ですべて終わりにするのではなく、地域の活性化のための方策を今後も様々な視点から考えていってほしい」と注文を付けた。
町にクルーズ船寄港計画の見直しなどを求めて来た世界自然保護基金(WWFジャパン)は「瀬戸内町が地域の様々な意見を踏まえ、地元が誇る豊かな海の保全を鑑みて選んだ決定は、生物多様性条約第10回締約国会議で世界の合意とされた愛知目標、持続可能な開発目標に貢献するもの。持続可能な観光の先進モデル実現を期待し、今後も地域の保全活動との連携協力を進めていく」などとする声明を発表した。

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2019年08月24日

WWFジャパンより今回の誘致断念に対しての歓迎声明が出されました。

WWFジャパンより今回の誘致断念に対しての歓迎声明が出されました。

https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4069.html?fbclid=IwAR1REJIRmaWff9VNAEVySMh_5FAJo-DLI-hxkJjth4IBjbe9CJnrcmjeTAY

奄美大島瀬戸内町における客船就航地開発計画に対する瀬戸内町長からの誘致断念の決定に対する声明

2019年8月23日に鹿児島県大島郡瀬戸内町の鎌田愛人町長より、町内西古見「池堂」地区での客船就航計画誘致の撤回方針が発表された。

地域の関係者の声に真摯に向き合い、同町が発表したこの方針は、国際的にも貴重な自然環境を有する南西諸島の中でも、特に保全価値の高い地域に深刻な影響を生じ得る開発行為の見直しを表明するものであり、WWFジャパンはこれを大いに歓迎する。

瀬戸内町西古見「池堂」地区での大型客船の就航計画は、2018年10月から瀬戸内町内のさまざまな関係者を交えた「クルーズ船寄港地に関する検討協議会」において、検討が続けられてきた。

2019年2月5日に開催されたその第3回会合では、ロイヤルカリビアンクルーズ社が就航候補として発表を行なった。これを受けWWFジャパンでは、2月15日に、保全を前提とした科学的評価がないまま、大規模な観光開発計画が進められる可能性が高いことへの懸念と共に、見直しを求める声明を発表。

さらに4月には、対象海域の緊急調査を実施し、この調査結果を基に、6月19日に再度、計画の見直しと地域の関係者が参加した持続型観光利用計画の構築を求める要望を、町及び国、県など関係諸機関に対し行なってきた。またWWFは瀬戸内町長と直接面会し要望を伝えるとともに、環境保全と持続可能な観光に協力することを申し出ている。

今回の誘致撤回とともに、瀬戸内町においては今後、町内に有する大島海峡やその周辺森林域及びそこに生息するアマミホシゾラフグやアマミノクロウサギを代表とした、生物多様性の豊かな自然を将来にわたり保全する施策に着手することが求められる。

またその実施にあたっては、住民や地域産業も参加した、広範な合意形成を図るしくみを整えることや、自然環境が地域の文化や社会の基盤と位置づけ、科学的根拠に基づく予防的原則を前提とした持続可能な観光客受け入れの態勢を確立することが、重要である。

瀬戸内町が今回、地域の方々のさまざまな意見をふまえ、地元が誇る豊かな海の保全を鑑みて選んだ決定は、生物多様性条約第10回締約国会議で世界の合意とされた愛知目標の3、9、12および、持続可能な開発目標の14、15にも貢献するものである。同町においては、持続可能な観光の実現に向けたスタートラインと捉え、南西諸島や国内の他地域に向けた、瀬戸内町によるこの持続可能な観光の先進モデル実現を期待するとともに、WWFジャパンでは今後も、この地域の保全活動との連携協力を進めていく方針である。

■本件に関するお問い合せ先:
WWF-ジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)
自然保護室 国内グループ  権田雅之 Tel: 03-3769-1713/Fax: 03-3769-1717

※全文はリンクをお読み下さい。
https://www.wwf.or.jp/activities/statement/4069.html?fbclid=IwAR1REJIRmaWff9VNAEVySMh_5FAJo-DLI-hxkJjth4IBjbe9CJnrcmjeTAY

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