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2018年04月05日

▼奄美群島の振興開発についての県民の意見と県の考え方が公開されました。▼

2018年年1月24日(水)~2月23日(金)に鹿児島県で行われた
「奄美群島振興開発総合調査報告書(原案)に対するパブリック・コメント」の結果が出ました。

県民の意見と県の見解の全文はこちらです。
【奄美群島振興開発総合調査報告書(原案)に対する御意見及び御意見に対する県の考え方について】
http://www.pref.kagoshima.jp/ac07/documents/63688_20180328163854-1.pdf

上記より、大型クルーズ船に関連する意見と県の見解を抜粋して掲載いたします。

県民の意見
「大量に人を送りつけるだけのクルーズ船誘致は納得できません。「世界自然遺産を生かしたクルーズ商品の構築を促進する。」の後に,「ただし,キャパオーバーの受け入れによる文化の毀損や住民生活の消失がないよう,地元向けの説明や協議は必要とする。」の文言の追加を希望します。」

県の考え方
「クルーズ船の寄港誘致にあたっては,奄美の美しい自然を保全しつつ,地元の意向を踏まえながら,対応してまいります。」

県民の意見
「奄美群島持続的観光マスタープランで排除したマスツーリズムを引き込んでしまう懸念があるため, 「世界自然遺産を生かしたクルーズ商品の構築を促進」の部分を「世界自然遺産と共存する持続可能なクルーズ商品の構築を促進」といった文言に変更すべきです。」

県の考え方
「クルーズ船の寄港誘致にあたっては,奄美の美しい自然を保全しつつ,地元の意向を踏まえながら,対応してまいります。」

県民の意見
「マスツーリズムの発想は,奄美群島持続的観光マスタープランで排除したはずであり,持続的観光の思想と相容れません。観光地として奄美を差別化し,高付加価値・客単価の高い顧客を獲得するため,これからの時代は量を目指すのではなく,いかに質の高い顧客を呼べるかに注力すべきと思います。したがって,量を目指す政策をうたった部分は削除すべきです。」

県の考え方
「奄美の世界自然遺産登録を見据えた保護と利用の両立に配慮した持続的な観光の推進については,報告書(原案)第Ⅱ編第2章第3節「1 地域資源を生かした観光施策の展開」(265ページ)に記載しているところです。」

県民の意見
「外国からの入込客を意識する前に,島民が安全,安心して暮らせる設備環境(安全な道路や公園・雑草除去・川や海,山の清掃)が優先ではないでしょうか。」

県の考え方
「安心・安全なまちづくりの推進や地域環境の保全については,報告書(原案)第Ⅱ編第2章第5節「3 生活環境」(284ページ)に記載しているところです。また,台風や地震などによる災害対策(治山,治水,海岸保全,港湾整備)の推進については,報告書(原案)第Ⅱ編第2章第4節
「4 防災及び国土保全」(272~274ページ)に記載しているところです。」

県民の意見
「来島客が増加したことは良いと思いますが,宿泊先・レンタカー不足の声が多く聞かれます。これ以上の来島者への対応は,現在の島の状況では難しいと思います。将来的な宿泊施設の計画は多く聞きますが,開発に当たってのルール作りが急務ではないかと考えます。」

県の考え方
「奄美においては,特に世界自然遺産登録に伴う観光客数の増加に対し,自然環境の保全と利用の両立に配慮した利用のルールの作成や受入体制の整備を進めることにしています。」

県民の意見
「世界自然遺産を観光目的とする観光客が,自然を壊してまで建設された港を使う大きな船の利用を是とするでしょうか。名瀬港に寄港する船の大きさは,手つかずの自然が魅力の奄美大島には不釣り合いと感じられます。また,過去のクルーズ船来港時の経済的収支も大きな経済効果はなかったことから港湾設備投資の価値があるとは考えられません。」

県の考え方
「クルーズ船の寄港誘致にあたっては,奄美の美しい自然を保全しつつ,地元の意向を踏まえながら,対応してまいります。」

県民の意見
「奄美らしい暮らし方・働き方とは,例えばどのようなものですか。抽象的過ぎてよく分かりません。また,「情報を活発に行き交う」ための手段
は何を指すのでしょうか。人・モノ・情報の交流をするためには,島民が楽しく安全に生活できる環境整備が重要だと思います。環境整備は,新しく建物を作るのではなく,既存の建物の再利用や交通網の整備,更に島民が求めているモノを調査することが大切だと思う。」

県の考え方
「豊かな自然や個性的な文化などの奄美群島の地域特性を生かした暮らし方・働き方及び情報発信については,報告書(原案)第Ⅱ
編第2章第2節「2 群島内外との交流の促進」(262ページ)に記載しております。また,島民が安全に生活できる環境整備については,報告書(原案)第Ⅱ編第4章「3 交通基盤の整備」(271ページ)及び「4 防災及び国土保全」(272~274ページ)に記載しているところです。

県民の意見
「大切なのは「ハブは神様」と言われている島が,今までどおりハブと共存できる環境作りを整備していくことが,クルーズ船受け入れにより先に実施する項目であると思います。」

県の考え方
「観光客等に対し,最新のハブ情報の提供,発信を行うとともに,ハブとの共存に関する調査事業を実施しており,報告書(原案)第Ⅱ編
第2章第5節「1 保健医療福祉」(277ページ)に記載しているところです。」

県民の意見
「自然豊かな奄美大島だけが実施する水資源,エネルギー施策により,世界で唯一の「グリーン化の島」としてのブランドをつくることで,集客数の増加も見込めると思います。」

県の考え方
「地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入推進については,報告書(原案)第Ⅱ編第2章第5節「4 水資源・エネルギー」(286ページ)に記載しているところです。」

県民の意見
「中国人を大量に島に入れるということのリスクをどの程度考慮しているか明確にする必要があります。東京や大阪・さらに世界各国の観光地で発生している問題点も開示するべきです。」

県の考え方
「外国人観光客の増加は,交流人口の増大や消費拡大などの効果にとどまらず,関連産業の雇用機会の創出や増大につながるなど,地域全体に大きな経済効果をもたらすことが期待されることから,地元の意向を踏まえつつ,海外からの誘客を図ってまいります。」

県民の意見
「クルーズ船を受け入れる港の建設や国際チャーター便を受け入れるよりも,「健康・癒し・安全」を売りにした奄美大島だけのブランド品を世界に輸出する方が,長い目で経済安定につながると思います。」

県の考え方
「海外に商流を有するバイヤーを招へいして開催する「うんまか鹿児島輸出商談会」においては,奄美大島の企業も出展しており,販路拡大に努めています。また,シンガポールのレストランカフェで実施した「鹿児島フェア」においては,奄美大島産の黒糖を使用したメニューを提供したほか,同フェアのオープニングイベントでは,「島唄ライブ」を行い奄美大島の認知度向上の取組を行ったところです。」

県民の意見
「瀬戸内町における大型クルーズ船寄港地誘致計画は,原案の内容に沿ったものでしょうか。」

県の考え方
「クルーズ船の寄港誘致にあたっては,報告書(原案)の内容や地元の意向を踏まえながら,対応してまいります。」

県民の意見
「今後の奄美群島全体の未来において豊かな自然環境を守ることは,観光を促進するためにも必要です。自然を守ることは,雇用,治安,生活環境,すべてにおいて重要なのです。奄美群島全体がお金と時間をかけるべきなのは,循環型社会の形成であり,それを内外に発信していくことは世界的に見ても強いイメージアップにつながります。そのことを周知徹底し,理解する,というような一文を付け加えてください。」

県の考え方
「循環型社会の形成については,そのための一般廃棄物のリサイクルセンター等の関連施設の整備,世界自然遺産登録を見据えた地域環境衛生団体の育成などの住民の意識啓発,産業廃棄物の排出抑制・減量化・リサイクルの促進等について,報告書(原案)第Ⅱ編第2章第5節「3 生活環境」(284ページ)に記載しているところです。」

県民の意見
「なぜ「防衛を強化する」ために500名規模の陸上自衛隊を奄美に配備させるという方針で進めているのに,その防衛強化の原因となっている国からのクルーズ船,それも数千人規模を搭載可能な,護衛艦より巨大なものを,安易に国境離島に招こうとするのでしょうか。本当に防衛を重視するのであれば,現状の港湾及び受け入れの規模で可能なラグジュアリー路線のクルーズ船誘致が望ましいと思います。」

県の考え方
「クルーズ船の寄港誘致にあたっては,地元の意向を踏まえながら,国とも連携し,対応してまいります。」

原案及び調査の報告の詳細はこちらからご覧ください。

【奄美群島振興開発総合調査報告書の公表】
http://www.pref.kagoshima.jp/ac07/20180117.html

◆町長は引き続き勇気をもって誘致を進めると言っている状態です。引き続き、ご協力をお願いできれば幸いです。◆
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奄美の自然を守る会
代表:田原 敏也
〒894-1502 鹿児島県大島郡瀬戸内町古仁屋宮前 23-6
TEL:0997-72-1001
FAX:0997-72-1003
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