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2019年07月16日

地元紙、奄美新聞にて、「参院選@奄美③ 西古見クルーズ船寄港地誘致の今」と題してこの問題が取り上げられています。

奄美新聞にて、「参院選@奄美③ 西古見クルーズ船寄港地誘致の今」と題してこの問題が取り上げられています。

参院選@奄美③

西古見クルーズ船寄港地誘致の今

(奄美新聞 2019年7月14日)
 

http://amamishimbun.co.jp/2019/07/14/19325/

 奄美大島の最西端・西古見集落。この静かで小さな集落が「大型クルーズ船」という言葉と紐づけして連想されるようになって1年半以上が経った。町民主体の検討協議会も立ち上がり、事態は収束へ向かうかと思われたが、具体的な方針はいまだに出ていない。ユネスコの諮問機関・IUCN(国際自然保護連合)の世界自然遺産登録に関する現地調査がこの夏から秋にかけて予定されており、登録への影響も懸念される。環境保全と大型クルーズ船寄港地誘致という相反する計画が同時進行で進む状態について、順を追って振り返りたい。

 【経緯】

 事の発端は2017年7月に国土交通省が発表した「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査の結果」という資料。世界最大級のクルーズ船受け入れを想定した寄港地開発が可能な地点を評価するもので、奄美大島と徳之島の4市町村9候補地が「寄港適地」と評価された。発表を受け瀬戸内町は、18年1月に報道されるまで町民に明かさないままに、候補地とされた西古見地区への説明会や県への支援要望書提出などを行い、事態は混乱に陥った。

 昨年2月には町内4団体が連名で、クルーズ船寄港地誘致を求める要望書を出していたことについて漁協・観光協会が署名を撤回。同年3月の町議会定例会では鎌田愛人町長が陳謝し、4月以降の町政懇談会を約束した。

 町政懇談会の中での町民の要望を受け、町は同年10月に「クルーズ船寄港地誘致に関する検討協議会」を設置し、協議を重ねている。今年2月の第3回検討協では米大手クルーズ旅行会社「ロイヤル・カリビアン社」がプレゼンテーションを実施。内容に具体性はなかったものの、▽1社のみが町の公募に手を挙げたこと▽非公開であったこと―などが反対派の批判の的となった。

 この〝プレゼン問題〟の後、世界自然保護基金(WWF)ジャパン、日本自然保護協会などの島外の自然保護団体から反対署名、要望署が提出された。また町内でも寄港候補地の対岸にあたる加計呂麻島の住民過半数から計画の白紙撤回を求める署名が寄せられている。3月には第4回検討協があったが、委員全員が意見を述べるにとどまり、いまだ意見の総括には至っていない。

 【問題の所在】

 各機関・団体の要望書では懸念されるのは一挙に押し寄せる観光客への対応が不可能な点、地区内の環境破壊など多岐にわたる。自然保護団体や地元有志による反対団体「奄美の自然を守る会」は、「世界自然遺産登録への影響」についても指摘。同会は今月10日に要望書を提出し、IUCNに計画への懸念を共有した上での現地調査を求めた。

 同町担当者は、「世界自然遺産登録への影響は絶対にあってはならないこと」とし、「そぐわないならやめるべき」と断言しているが、協議がどう転ぶかは検討協に一任されており、議論の方向性が注目される。

 奄美の自然を守る会がIUCNに提出した要望書内で、同会は「環境省と国交省の政策の不一致」についても言及する。実際、今年3月にあった国土交通委員会で委員(国会議員)からの質問に対し、環境省担当者は国交省が発表した資料について、「国交省において検討されたものと承知しており、作成過程で当省は特段の協議等を受けていない」と答弁。環境省とは一切協議せず、国交省が同資料を発表したことが明かされている。

 国交省・環境省の連携不足については反対派のみならず、町も頭を抱える。計画の発端となった国交省は検討協にもオブザーバー参加し、委員らの質問に答えるなどするが、環境省からはこの事案に対する指摘はないという。要望書を提出してきた民間の自然団体に協力を仰ぐなどしているが、世界自然遺産登録への影響が懸念される中で環境省側の意見は必須ともいえるだろう。

        ◇  ◇   

 町担当者は「じっくりと議論しなければ、将来に禍根を残すことになる」とし、時間をかけた協議の必要性を説くが、世界自然遺産登録の可否についてはタイムリミットが刻一刻と近づく。他市町村の今後の開発計画のためにも環境省からの意見も求め、早急に地域の環境・住民生活に配慮した観光のあり方を見つけることが求められる。



※全文はリンクよりお読みください。

http://amamishimbun.co.jp/2019/07/14/19325/



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奄美の自然を守る会

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2019年07月12日

奄美の自然を守る会より、世界自然遺産候補地の現地調査を担当する国際自然保護連合(IUCN)に要望書を提出いたしました。

奄美の自然を守る会より、世界自然遺産候補地の現地調査を担当する国際自然保護連合(IUCN)に要望書を提出いたしました。

以下、新聞記事です。

クルーズ誘致計画、精査を  IUCNに要望書提出
(2019年7月12日:南海日日新聞)

http://www.nankainn.com/local/%e3%82%af%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%ba%e8%aa%98%e8%87%b4%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%80%81%e7%b2%be%e6%9f%bb%e3%82%92-%e3%80%80%ef%bd%89%ef%bd%95%ef%bd%83%ef%bd%8e%e3%81%ab%e8%a6%81%e6%9c%9b%e6%9b%b8%e6%8f%90

瀬戸内町が同町西古見・池堂地区への誘致を考えている大型クルーズ船寄港地誘致計画について、反対する奄美の自然を守る会(同町、田原敏也会長)は10日、世界自然遺産候補地の現地調査を担当する国際自然保護連合(IUCN)に要望書を提出した。IUCNが今年夏から秋にかけて奄美大島で行う予定の現地調査に際し、観光管理の観点から同計画についても精査するよう求めている。

 要望書は同日メールで発送。11日、田原会長(63)と杉岡秋美副会長(65)が大島支庁記者クラブで会見し、内容を報告した。

 要望書では▽行政と住民間のコミュニケーション不全▽持続可能な観光に対する住民の理解が進まないままでのマスツーリズム(大衆化された観光)振興▽大型クルーズ船を使った外来種侵入、固有種の違法取引―など、同計画の不備や懸念材料を指摘している。

※全文はリンクよりお読みください。
http://www.nankainn.com/local/%e3%82%af%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%ba%e8%aa%98%e8%87%b4%e8%a8%88%e7%94%bb%e3%80%81%e7%b2%be%e6%9f%bb%e3%82%92-%e3%80%80%ef%bd%89%ef%bd%95%ef%bd%83%ef%bd%8e%e3%81%ab%e8%a6%81%e6%9c%9b%e6%9b%b8%e6%8f%90

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奄美の自然を守る会

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2019年06月24日

ハーバー・ビジネス・オンラインにてこの奄美大島・西古見大型クルーズ船寄港地誘致問題についての記事が掲載されました。

ハーバー・ビジネス・オンラインさまにて、この奄美大島・西古見大型クルーズ船寄港地誘致問題についての記事が掲載されました。


30人の集落に週5000人の観光客、住民の生活や環境が破壊される!? 奄美大島・大型クルーズ船寄港地開発(ハーバー・ビジネス・オンライン 2019年6月23日)

※全文はリンクよりお読みください。
https://hbol.jp/194989?cx_clicks_art_mdl=1_title

記事引用

〝東シナ海に浮かぶ奄美大島(鹿児島県)。「世界自然遺産登録」を目指しているこの島でも、大型観光が地域に与える負担の問題が浮上している。島の南西に位置する人口30人余りの限界集落・西古見が今、大型クルーズ船の寄港地開発で揺れているのだ。

 外資系クルーズ観光事業者ロイヤル・カリビアン社が22万トンの大型客船の寄港を画策し説明会を行うなどし、地元では困惑が広がっている。〟


※全文はリンクよりお読みください。
https://hbol.jp/194989?cx_clicks_art_mdl=1_title

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奄美の自然を守る会

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2019年06月23日

WWF及び鹿児島大学が調査した西古見の海中の写真を多数含む資料が公開されました。

WWF 及び鹿児島大学の環境調査結果を踏まえた
WWF の考察に基づく環境保全上の留意点

2019 年 6 月 19 日

※12ページに及ぶPDF資料です。全文はリンクよりお読みください。
https://www.wwf.or.jp/activities/data/domestic1.pdf


西古見に生息する、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されているオオナガレハナサンゴ、ヒユサンゴ、
奄美近辺でしか生息していないアマミホシゾラフグの生息状態の写真とともに、西古見の珊瑚の状態の詳細な写真がございます。

皆さまぜひ、ご覧ください。

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奄美の自然を守る会

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2019年06月22日

WWFジャパンが国土交通大臣、鹿児島県知事、瀬戸内町長などに提出した大型クルーズ船寄港地開発についての要望書です。

WWFジャパンが国土交通大臣、環境大臣、鹿児島県知事、瀬戸内町長、奄美群島広域事務組合に提出した大型クルーズ船寄港地開発についての要望書です。

※全文はリンクよりお読みください。
https://www.wwf.or.jp/activities/statement/3996.html

鹿児島県瀬戸内町西古見周辺海域の重要性と、大型クルーズ客船の寄港地  開発見直し、及び住民参加型の保全観光利用計画づくりに関する要望

2019/06/19

国土交通大臣石井啓一 殿
環境大臣原田義昭 殿
鹿児島県知事三反園訓 殿
瀬戸内町長 鎌田愛人 殿
奄美群島広域事務組合事務局長 信島賢誌 殿

(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
会長  末吉 竹二郎
背景
2019年2月2日に鹿児島県瀬戸内町で第3回「クルーズ船寄港地に関する検討協議会」が開催され、同町西古見集落周辺での客船の寄港地開発計画が、米国の船会社ロイヤル・カリビアン・クルーズ社より説明されました。

WWFジャパンは、この寄港地開発(以下、本開発計画)が、周辺海域の自然環境に深刻な影響を及ぼす可能性があることを憂慮し、2019年2月15日、国土交通省、鹿児島県、瀬戸内町、ロイヤル・カリビアン・クルーズ社に対し、緊急声明を送付しました。
その後、瀬戸内町と直接面会し意見交換を通じて、地域の自然に配慮した持続可能な観光を目指す町の方針を確認しました。一方、西古見地区の住民の方々とも意見交換し、さらに2019年4月に寄港地開発予定地の周辺海域において緊急の環境調査と、自然環境の専門家に対し当該地の自然環境の重要性に関する情報収集を行ないました。

4月に行なったWWFの調査及び、その後の情報収集の結果、大型クルーズ客船が着岸する同じ湾内において、高い被度のサンゴ礁と、国が指定する希少種のオオナガレハナサンゴ、アマミホシゾラフグなどの生息を確認しました。総合的に判断すると造礁サンゴ群集を中心とした多様な生態系が維持されている海域であることが分かりました。

WWFジャパンでは、上記の結果を受け、2月の緊急声明での主な要望についてあらためて下記の3点を要望いたします。

1.地域の重要な観光資源となりうる貴重な自然環境に対する観光開発と利用による悪影響の確実な防止をめざした、科学的評価に基づくキャリング・キャパシティの設定
2.寄港地開発予定地の集落の住民のみならず瀬戸内町民や奄美大島の他の市町村住民に対し、開発に関する詳細な情報の開示と、検討過程の住民、一般への公表の徹底
3.環境や地域社会に配慮した「持続可能な観光」の実現に向けた住民参加と合意形成を経た持続観光な観光等の利用計画の策定


西古見周辺の自然環境に関する保全上の価値
西古見沿岸は、環境省による「生物多様性の観点から重要度の高い海域」として位置付けられています。また環境省が行っているモニタリングサイト1000において、サンゴ礁生態系のモニタリングサイトの調査では、西古見の対岸に位置する加計呂麻島の実久でも、80%以上の被度のサンゴが確認されるなど、海域一帯が優良なサンゴの生息地と判定されています。WWFジャパンが2009年に作成した南西諸島全域の生物多様性重要地域の評価情報(BPAマップ)でも、特に重要性が高い海域の一つとして大島海峡のほぼ全域が評価されています。

2019年4月にWWFジャパンが計画予定地となっている湾内で行なった緊急の環境調査では、卓上ミドリイシをはじめとした多種の造礁サンゴの群集が広がっていることを確認。優占種としては卓状のクシハダミドリイシ、サボテンミドリイシ、コユビミドリイシ、枝状のトゲスギミドリイシ等が認められ、さらに環境省絶滅危惧Ⅱ類に指定されるオオナガレハナサンゴやヒユサンゴが生息していることも分かりました。

この海域では2001年から2002年にかけて、オニヒトデが大量発生し、造礁サンゴが食害を受けて、一時壊滅状態となり、さらには2016年にも海水の高温化により造礁サンゴの白化現象が発生。サンゴ群体の死滅が確認されています。しかしWWFが2019年4月に行った調査では、全般に健全なサンゴが多く確認された上、生体サンゴの被度が最高で70~80%に達する高被度地点も見られるなど、過去の擾乱から回復が相当に進んでいることが分かりました。

さらに、鹿児島大学が2019年5月に行なった調査の結果、海底の砂底でアマミホシゾラフグの産卵巣が認められたほか、オオナガレハナサンゴなどの希少な造礁サンゴが存在していることが判明。
以上のことから、この西古見に面した湾内の海域で見られる生物多様性は、奄美大島のみならず、世界的にも重要な沿岸の生態系を有する地域であることが、改めて明らかとなりました。

客船寄港計画により懸念される影響
上記の調査により明らかになった多様なサンゴ礁生態系の分布は、大半が大型船の着岸する予定地に直接は重なってはいないものの、幅800メートル程度の狭い同一の湾内に広がっており、十分な配慮を欠いた開発は、深刻な環境破壊の影響を及ぼす可能性がきわめて高いと考えられます。

また、現在検討中とされる大型客船の就航計画では、一度に2,000~4,000人ともいわれる海外からの観光客が、高齢者を中心に40名に満たない西古見地区の小規模集落やその周辺を訪れることになり、地域の暮らしはもちろん、自然海岸や沿岸および陸域環境にも、さまざまな影響を及ぼすことが懸念されます。

2019年4月にWWFジャパンが西古見地区の住民の方々と行なった意見交換の場においても、「この海は地元の誇りであり大切にしている」という声が強くあった一方、「計画をぜひ誘致したい」という意見は皆無で、むしろ「集落内に外国人がたくさん入ってくるのは困る」「大規模計画が欲しいのではない、若い人が戻ってきて集落が存続していけるような、そういう手立てが欲しい」「海を大切にして観光をしてほしい」といった、地域の未来を思う切実な言葉を聞くことができました。

また、2019年5月9日には、同じ瀬戸内町の加計呂麻島住民の有志が、町に対して計画の白紙撤回を求める要望を提出。6割を超える加計呂麻島民が反対の意を示しており、反対する住民らによる署名活動では既に3万5,000名を超える計画撤回の署名が集まっています。

国会ではこの問題について、2019年5月22日に参議院議員決算委員会において、川田龍平議員が国に対し質疑を行いました。質問の中で川田議員は、第3回「クルーズ船寄港地に関する検討協議会」の場で、ロイヤル・カリビアン・クルーズ社の1社のみが事業の提案説明を行ったこと、同社として計画の実施に際しては周辺土地の購入及び陸側での開発を行なうなどの発言があったことを指摘。これに対し国土交通省は、このロイヤル・カリビアン・クルーズ社の、集落周辺の開発の必要性を追認する答弁を行ないました。

こうした内容について、最大の関係者である地元の住民の方々が、正しい情報を得ているのかは大きな疑問が残る点です。そしてこれらはいずれも、ユネスコの世界自然遺産登録の基準の一つである、地元の団体・関係者が連携した保護管理体制の構築と合意形成の点において、深刻な不備があることを示すものです。

世界遺産の島々、南西諸島の未来に向けて
これらの情報や状況を踏まえ、瀬戸内町内の住民や行政にあたる町役場、また観光や建設に関連する地元の企業を含めて、今一度、計画の推進を誰が、どのような形で求めているのかを明らかにしつつ、全ての情報を開示・共有するとともに、地域の中でその是非についての合意形成を行なっていく必要があるといえます。

その中で、この豊かな自然を将来にわたり守りのこしていくためには、環境や地域社会、そこに暮らす人の気持ちを損なうような大規模な計画を当該地で推進するべきではなく、むしろ予防原則の観点に立ち、地域の宝として守ることを前提とした、持続可能なエコツーリズムの展開によって、南西諸島の他の地域の見本となるような保全型の地域振興を、地域の合意形成のもと目指すことが求められます。

またこれを実現するためには、地元の自治体や集落の住民だけでなく、国、県、また島内の関係産業や団体が一致して連携し、環境と地域社会への悪影響御防ぎ、地域が主体となって取り組みを支えていく体制の構築が必要です。

前述の国会での国土交通省の説明等が事実とすれば、今回の客船就航計画は、我が国が本年、登録を再申請した世界自然遺産登録にも、影響する可能性があります。島内の自然環境の保全価値の維持・管理に反する開発利用にあたると見なされれば、今後予定されているIUCNによる再評価において、不適格要件となることも考えられるでしょう。

さらに、調査によってその生態系の豊かさと価値が、あらためて明らかにされつつある中で今後、自然科学分野の学会や国際機関などが計画に対し、危惧・抗議の声をあげることも予想されます。
なにより、世界的にも貴重な南西諸島の自然環境の損失という瑕疵を、現在、そして将来にわたって残すことになります。

以上の内容をふまえ、WWFジャパンは瀬戸内町と奄美群島広域事務組合、鹿児島県、国土交通省および環境省に対しては、それぞれ下記の内容を要望いたします。

国土交通省および環境省への要望
1.保全価値の高い西古見沿岸や陸域を含む大島海峡周辺について、関係法令に定める保護区域の設定を含めた保護施策をとること
2.対象地域での開発案件や提案事業者に対し、県及び自治体とともに積極的に保全価値の高い自然環境への悪影響を縮小・撤回を検討するよう調整を図ること
3.世界自然遺産登録に向けた政府の方針を重視し、縦割りを越えた共有・連携を図るとともに予防原則に立った在来自然環境の保全と住民全体の合意形成を前提にした、事業の実施や、瀬戸内町の取り組みを支援すること

鹿児島県への要望
1.世界自然遺産の推薦書の中で周辺管理地域に含まれる西古見とその沿岸に見られる保全価値の高い自然を保全するため、部分的開発を含め、保全価値の高い自然環境へ悪影響を与える恐れがある開発案件の許認可を行なわないこと
2.地域の自治体や住民による自然環境の保全と持続可能な観光等の利用の取り組みを支援すること
3.その実施にあたっての基準となる、観光等での利用管理計画の策定に積極的に関わり、同じくこれを支援すること

瀬戸内町および奄美群島広域事務組合への要望
1.客船の就航計画を含む、あらゆる開発計画については、保有する情報を住民やメディアに公開・共有すること
2.今回の開発に関しては西古見集落のみならず、町民全体の参加型による合意形成を目指し、その経過や協議会及びそこでの議論の内容等は、メディアや広く一般にも公開すること
3.世界自然遺産の推薦書の中では、西古見のほか大島海峡に面したほとんどの地域は主な利用場所と利用者数の統計から外れている。客船のみならず観光など開発や利用の適正な規模を含むあり方を検討する際は、島内全体での合意形成と、科学的評価に基づく、自然環境と地域社会が許容し得る影響のレベルについてのキャリング・キャパシティの検討・設定を行うこと
4.上記を基に、保全と観光等の地元産業利用を両立する利用管理計画を、産業関係者、住民、保全団体を交えたプロセスで策定すること

以上
(本件に関する問合せ先:(公財)世界自然保護基金ジャパン自然保護室国内グループ)

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奄美の自然を守る会

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2019年06月21日

西古見集落住民の意見も記載されたWWFジャパンの大型クルーズ船寄港地誘致計画についての活動報告です。

WWFジャパンのオフィシャルサイトにて、このWWFジャパンのオフィシャルサイトにて、この大型クルーズ船寄港地誘致計画についての活動報告がアップされています。

奄美大島瀬戸内町のサンゴ礁保全を要望 大型客船による観光開発
2019/06/19

※全文はリンクよりお読みください。
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/3997.html

西古見周辺海域で調査を実施し、大型港湾施設の建設予定地と目されるエリアから、500メートル~1キロほどの海域内に、多くの造礁サンゴの群集を確認。卓上ミドリイシをはじめ、クシハダミドリイシ、サボテンミドリイシ、コユビミドリイシ、枝状のトゲスギミドリイシといったサンゴが生息していることを確認したこと、

世界でも奄美大島周辺にだけ生息するアマミホシゾラフグの産卵巣を発見されたこと、

また、WWFジャパンが西古見地区の住民の方々と行なった意見交換の場で、「この海は地元の誇りであり大切にしている」という強い思いと、「若い人が戻ってきて集落が存続していけるような、そういう手立てが欲しい」「海を大切にして観光をしてほしい」という意見の、詳細が記載されています。

記事内引用

〝一方、「必ずしも、大規模計画が欲しいのではない」「集落に外国人がたくさん入ってくるのは困る」といった懸念する声もあり、地元の集落として「計画をぜひ誘致したい」という意向ではないこともうかがわれました。〟

詳細は、ぜひリンクをご覧ください。

https://www.wwf.or.jp/activities/activity/3997.html

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奄美の自然を守る会

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2019年06月20日

WWFジャパンが瀬戸内町にこの大型クルーズ船寄港地誘致計画の見直しを求める要望書を提出しました。

WWFジャパンが瀬戸内町にこの大型クルーズ船寄港地誘致計画の見直しを求める要望書を提出しました。


自然の保全価値強調 WWFジャパン、見直し求め要望書 クルーズ船寄港地計画誘致で

2019年6月20日(南海日日新聞)

 瀬戸内町が同町西古見・池堂地区への誘致を検討しているクルーズ船寄港地開発計画に関して、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン、東京)の東梅貞義自然保護室長ら3人は19日、同町役場を訪れ、鎌田愛人町長に開発計画の見直しなどを求める要望書を提出した。同法人が4月に西古見で行った環境調査結果を踏まえ、同地域の自然の保全価値を強調。「地域の方も大事にしている自然が決して損なわれることがないよう、きちっと計画を吟味するべき」などと訴えた。

 WWFジャパンは2月にも同計画に反対する緊急声明を発表している。

 要望書では緊急声明の内容を踏まえ、改めて▽科学的評価に基づくキャリング・キャパシティー(環境容量)の設定▽開発に関する詳細な情報開示、検討過程の公表の徹底▽住民参加と合意形成を経た持続可能な観光等の利用計画の策定―の3項目を掲げた。

 東梅室長が「自然に手を付けること全てが反対だとは思っていない。地区の皆さんの気持ちに寄り添い、町の皆さんの期待に応えられるような観光を目指し、各地の事例を集めている。ぜひ情報提供したい」と述べると、鎌田町長は「前回の声明、調査結果、先ほど述べられたことも含めて重く受け止めている。地域の素晴らしいものを残すのはとても大事。検討協議会での議論の結果、WWFジャパンの調査内容も踏まえ、今後の在り方については判断したい。協力いただきたい」と応じた。

 WWFジャパンが行った環境調査、情報収集の結果によると、池堂地区の湾内では、80%以上の被度(海底面に占める生きたサンゴの割合)のサンゴ礁のほか、国が指定する希少種のオオナガレハナサンゴ、海底に幾何学的な円形の巣を作ることで知られるアマミホシゾラフグなどの生息が確認されたという。

 同内容の要望書は19日付で、国土交通省、環境省、県、奄美群島広域事務組合にも発送した。


※全文はリンクよりお読みください。

http://www.nankainn.com/gvmnt-admin/%e8%87%aa%e7%84%b6%e3%81%ae%e4%bf%9d%e5%85%a8%e4%be%a1%e5%80%a4%e5%bc%b7%e8%aa%bf%e3%80%80%ef%bd%97%ef%bd%97%ef%bd%86%e3%82%b8%e3%83%a3%e3%83%91%e3%83%b3%e3%80%81%e8%a6%8b%e7%9b%b4%e3%81%97%e6%b1%82

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奄美の自然を守る会

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2019年04月05日

船社に具体的説明要望相次ぐ 瀬戸内町(南海日日新聞:2019年4月2日)

船社に具体的説明要望相次ぐ 瀬戸内町(南海日日新聞:2019年4月2日) 

瀬戸内町のクルーズ船寄港地に関する検討協議会(委員長・宮廻甫允鹿児島大学名誉教授)の第4回会合が30日、町役場会議室であった。前回(2月)の会合で米国大手船社と地元団体がそれぞれ行った寄港地開発に関するプレゼンテーションを踏まえて、委員らが意見交換した。経済効果への期待や環境負荷への懸念など、計画に対する賛否の声が上がったほか、「具体的な話がなく住民は不安を感じている」など、船社による再度の説明会の要望も相次いだ。

 協議会は同町西古見への寄港地誘致を構想する町が設置。委員は町内各種団体の代表や学識経験者など19人。国が昨年8月に公開した「島嶼(とうしょ)部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査の結果」を踏まえて、寄港地の在り方を町長に提言する。

 前回の会合では、町の公募に応じた「ロイヤル・カリビアングループ」が寄港地開発について非公開で説明。「奄美の自然を考える会」(田原敏也代表)は持続可能な観光の推進などを提案した。

 会合では出席した委員全員が考えを述べた。大型クルーズ船の寄港に賛成の立場から、「人口減少に歯止めがかかる。インフラ整備によって経済効果が出る」「何も対策をしなければ集落は消滅すると危機感を持っている」などの意見が出た。

 計画に反対する立場からは「手つかずの自然が壊れる」「穏やかな暮らしが失われる」「治安が悪化する」との声が上がった。

 寄港地開発によるメリット、デメリットに関する調査を求める意見もあった。学識経験者から「専門家が具体的な数字をシミュレーションする機関をつくり、分析、調査を行うべき」と提言があった。

 事務局の眞地浩明町企画課長は「委員全員の意見を聞いたのは初めて。それぞれの発言を尊重しながら整理して方向性を見いだしたい」と述べた。

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奄美の自然を守る会  


2019年03月29日

第198回国会・衆議院国土交通委員会にて「大型クルーズ船寄港地」についての質問が、国土交通省・環境省になされました。

2019年3月13日の第198回国会・衆議院国土交通委員会にて、宮本岳志議員により、この「大型クルーズ船寄港地誘致問題」についての質問が、国土交通省、環境省になされました。


※議会中継アーカイブはこちらです。


2:31:19秒あたりからこの瀬戸内町・西古見大型クルーズ船寄港地誘致問題についての質問になります。


http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48798&media_type&fbclid=IwAR2aBDGG_jSGsUU5u8eXTZBXqJiGrI6kuMZYotcAlm8a9SZnAEYrvFcOvZ8


以下が内容書き起こしです。


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奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案(198国会閣12)


衆議院議員 宮本岳志議員


「奄美大島は豊かな自然のみならず、独自の文化、歴史を持つ地域でございます。戦時中は要塞化が進められ、戦後はアメリカの統治下におかれ、島ぐるみの復帰運動を経て、1953年日本に返還された歴史がございます。
史実に直接触れることのできる戦争遺跡の保存と活用は奄美の歴史において非常に大切な視点だと思います。しっかりと支援をしていただきたいと重ねてお願いしたいと思います。


次に大型クルーズ船の寄稿問題についてお伺いしたいと思います。


奄美の南部・瀬戸内町でクルーズ船誘致の話が持ち上がっていると聞きますけれども、港湾局長、詳細な内容を承知しておられますか?」


下司港湾局長


「お答え申し上げます。委員お尋ねの奄美大島の瀬戸内町におけるクルーズ船の寄港地開発について私どもの承知のしておる範囲でお答え申し上げます。
まず、国土交通省では奄美大島と徳之島をモデルケースといたしまして、クルーズ船の候補地、寄港地の候補地検討にあたって評価すべき課題を整理するとともに、候補地の課題と実現可能性について概略検討を行うため、「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査」を平成28年度、29年度にわたって実施をしております。


またその結果を29年8月にホームページ上で公表をいたしたところでございます。この調査の中で、現地の水深、波浪の状況、漁業への影響、サンゴ礁等の環境への影響、ビーチなどの観光資源の存在、こういった点を踏まえて、9か所を寄港可能性のある候補地として選定をさせていただきました。


この候補地のひとつとして、ただいま委員お尋ねの瀬戸内町の地域、西古見地区と呼ばれておる地域が候補地のひとつとして、選定、候補地としてあげさせていただいたところでございます。


これを受けて瀬戸内町は昨年、10月に「クルーズ船寄港地に関する検討協議会」を地元において設置をされたと承知をしております。


瀬戸内町における寄港の効果や課題等を調査分析し、クルーズ船寄港地のあり方について現在、議論を進めておられると承知をしております」


宮本議員


「その後、瀬戸内町がこの場所に寄港することを希望する船社を募集したと聞いておりますが、どういう船社が応募してきたかおわかりですか?」


下司港湾局長


「お答え申し上げます。第2回の同協議会におきまして、その議論の中で具体的に寄港に関心を示すクルーズ船社から考え方を聞いてみようという議決がされて、それを受けて第3回、2月に開催されておりますが、その場にロイヤルカリビアン社が寄港に関心があるのでその協議会に参加をし、プレゼンテーションをされたという風に承知をしております」


宮本議員


「もちろん私は、クルーズ観光船すべてに反対しているわけではありません。観光に限ったことではありませんけれども、奄美の振興において自然環境への配慮、住民合意が大前提だとは言うまでもないことです。とりわけ、奄美・沖縄では2020年の世界自然遺産登録を目指した取組が進められています。


そこで環境省に聞きますけれども、奄美・沖縄世界自然遺産登録に向けた、経緯と今後のプロセスを教えていただきたい」


環境省 鳥居審議官


「お答え申し上げます。奄美大島、徳之島、沖縄北部、及び西表島の世界自然遺産に関しましては諮問機関であるIUCNからの延期勧告を踏まえまして、必要な作業を進めたうえで、先月1日に推薦書を再提出させていただきました。


今後は来年の夏ごろに開かれる世界遺産委員会において、世界遺産への登録の可否が審議される予定でございます。


環境省といたしましては関係機関や関係自治体等とも十分な協力を重ね、IUCNの指摘に真摯に対応してまいりまして、確実な登録に向けて、引き続き万全を期してまいります」


宮本議員


「この世界遺産登録は、アマミノクロウサギ、イシカワガエル、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ等々の生物多様性に注目し、奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島を資産として推薦するものであります。


昨年5月にIUCN世界遺産委員会から延期勧告が出されて、申請をいったん取り下げましたけれども、今年2月に新たに申請を提出いたしました。この夏には、今お話しがあったとおり、改めて現地調査が入り、今が非常に大事な時期であることは間違いありません。


観光で多くの人に訪れてもらいたいということに異論はないわけではありますが、一方でオーバーツーリズムによる自然環境の破壊や外来種が入り、生態系に重大な被害を及ぼす危険性も高くなります。


環境省に重ねて聞きますけれども、日本政府の推薦書の持続可能な適正利用の推進というところでは、「世界遺産登録による知名度向上に伴う観光利用の増加とそれに対する利用の適正化は、遺産価値の保全と持続的利用における最重要課題である」と指摘するとともに、鹿児島県が2016年3月に策定した「奄美群島持続的観光マスタープラン」においては、「奄美群島の自然環境や文化の特徴を踏まえ、エコツーリズム等の少人数型で質の高い体験利用を奄美群島の観光の中心に据えていくことを目指している」事実が紹介されていますが事実ですね?」


環境省鳥居審議官


「お答え申し上げます。推薦地に関しましてご指摘のように、記載してございます」


宮本議員


「そこで港湾局に聞くわけですが、先程のロイヤルカリビアンというところのクルーズ船ですね、そしてあなた方が想定したのは、世界最大22万トン、乗組員も含めれば7000人という超大型クルーズ船でありますけれども、こういうクルーズ船の寄港地を奄美大島に作るということが、なぜ「少人数型の質の高い体験利用を奄美群島の観光の中心に据える」、この鹿児島県の方針に沿うことになるんですか?」


下司港湾局長


「お答え申し上げます。委員のご指摘、22万トン級という具体的なお話しでございますが、ロイヤルカリビアン社が現時点において奄美大島に具体的な開発計画を保有している状況とは、承知をしてございません。


クルーズ船を寄港させる寄港地として関心を示されているという段階でございます。先程ご答弁申し上げましたが、地元の協議会でロイヤルカリビアン社がプレゼンテーションをした内容を拝見しましても、寄港にあたっての地元との共生のあり方、地元の地域産業へのインパクト、効果をこうやって与えたいという考え方が示されたと承知をしておりまして、具体的に船の大きさでありますとか、そういった規模が示されているとは承知はしてございません。


したがって、その22万トン級というような前提として影響がどうなのか、世界遺産との関係について問われましても、なかなかお答えするのは難しゅうございますが、いずれに対しましても、推薦書にお示しをされています周辺管理地域に西古見地区は該当いたしますので、周辺管理地域の要件としまして、推薦地に影響を与える脅威の排除、低減、地域の生物多様性の保全と地域社会の持続的発展との両立の実現等を行うことされておりますので、この周辺管理地域の目標に沿った形での寄港地開発を進めることが重要であると認識をしてございます」


宮本議員


「事実確認です。
あなた方が奄美大島、徳之島に寄港候補地と9つあげたものは最大どういう船が想定して止まることを選んだんですか?」


港湾局長


「寄港候補地の選定にあたりましては、船の方向の安全性の観点から、水深12メートル、これは委員のおっしゃるとおり、最大級の船に該当いたしますが、そういう船も安全に停泊ができるという条件で、7百数十メートルの回頭水域、あるいは水深が12メートル確保できるという条件のもとで候補地も選定したという経緯がございます」


宮本議員


「そういう想定で選んでるんですよね。それで、これは環境省にあらためて聞きますけれども、延期が適当とされた昨年5月のIUCNの勧告において、推薦地の価値に影響を与える脅威としてどのような指摘がなされておりますか?」


環境省 鳥居審議官


「お答え申し上げます。推薦地の価値に影響を与える脅威として、ノネコ、ノイヌを含む侵略的外来種、固有種の交通事故、野生生物の違法採取、観光影響が指摘されています」


宮本議員


「まさに侵略的外来種、固有種の交通事故、野生生物の違法採取、観光影響が指摘されております。私は幸運にも加計呂麻島でアマミノクロウサギに遭遇したんですけれども、私でも遭遇できるほど逃げ足の遅いウサギでありました。人が持ちこんだノラ猫やノラ犬によって簡単にとらえられ、殺されてしまうので島をあげて対策をしておりました。


港湾局、世界遺産申請にこれだけ気を使わなければならないときに、なぜこのような大型クルーズ船の寄港地候補を奄美大島や徳之島になぜ9か所も選定したのか。


政府はこの選定に先立って、旅客やツアーを運営する企業からの要望関与があったのかとの質問主意書に対して、昨年6月23日の答弁書で船社からはクルーズ船の日本寄港への増加、その一環としての特に奄美群島への寄港の増加について、要望を受けた事実を認めております。
そこで具体的に聞きますが、奄美群島への寄港を具体的に要望した船社はなんという企業か、いつどのような要望を受けたのか、答弁していただけますか?」


下司港湾局長


「お答え申し上げます。要望があった船社はロイヤルカリビアン社でございます。要望があった内容は寄港地としての奄美について多大な期待を寄せている、クルーズ振興に関する主導を期待しているという趣旨の要望でした。なお、日付に関しましては、28年度の要望であったことは承知しておりますが、ちょっと今、日付まで……のちほど確認させていただいてお答え申し上げたいと思います」


宮本議員


「ロイヤルカリビアン社から寄港地としての奄美において多大な期待を寄せている、クルーズ振興に関する主導を期待していると言われて、国土交通省港湾局は瀬戸内町・西古見地区を含む九か所の寄港候補地を含む選定をし、一昨年8月14日に発表いたしました。


港湾局の発表のなんと翌日、8月15日には、瀬戸内町は西古見集落で住民説明会を行っております。
地元報道によるとこの日と、9月6日の2回の住民説明会で西古見地区の住民36人中、28人の賛同を得たとされております。


一昨年、12月議会では集落住民と町内4経済団体からのクルーズ船誘致の陳情書を採択、県に対して誘致に伴う支援を要請いたしました。


これに対し、住民から疑問の声があがり、昨年3月議会で町長は、計画を白紙に戻すと表明し、改めて検討協議会を設置したという経過がございます。


調査結果公表の翌日に早速、そのひとつの地区で住民説明会を開催するなどということは、国と瀬戸内町があらかじめ示し合わせていなければやれるわけがないんです。これは事前に連絡を取り合って、瀬戸内町が行ったことですね。間違いないですね」


下司港湾局長


「お答え申し上げます。先ほどわたくしがご説明申し上げました国交省がした調査でございますが、この調査の実施にあたりましては現地の調査も行ってございます。現地の当然関係者の協力を得て、調査を実施したところでございます。
このため、調査結果の内容についても必要に応じて、現地の関係者、例えば瀬戸内町に対して情報共有を行っておりますので、瀬戸内町は調査の進捗状況についてもあらかじめ把握をしていると考えております。
なお、調査結果に当たり、とりまとめにあたりましては、これは国土交通省の判断で九か所の選定を行いました」


宮本議員


「港湾局はこの候補地を選定するにあたって「寄港候補地の条件」というものを掲げております。係留施設の設置推進が12メートル以上であることとか、静穏度のよい場所であることとか、サンゴ礁がないなど環境への負荷が小さいこと等々、あげております。


改めて環境省に確認いたしますが、この港湾局が示している寄港候補地の条件というものは、環境省と協議したうえで、これなら世界遺産申請との関係で大丈夫、と環境省がお墨付きを与えたものですか?」


環境省 鳥居審議官


「お答え申し上げます。当該資料につきましては、国土交通省において検討がなされたものと承知しておりまして、その作成過程で当省は特段の協議等を受けているものではございません」


宮本議員


「この条件というものは環境省も与り知らないものであります。私は先ほど述べたように、クルーズ観光船一般を否定するつもりはありません。


しかし、瀬戸内町も含めて奄美大島の人がこぞって待ち望んでいる世界自然遺産登録が台無しになるようなことだけは、あってはならないと思うんです。港湾局が訪日クルーズ旅客2020年500万人を掲げてクルーズ船受け入れのさらなる拡充に、突っ走る背景には、この「明日の日本を支える観光ビジョン」で訪日外国人旅客者数2020年4000万人、2030年6000万人などと掲げたことがあると思うんですね。


そこでまあ、大臣に基本的なことをお尋ねするんですが、観光先進国も結構でございますけれども、それは自然環境を破壊したり、ここで暮らしている人々をないがしろにしたりすることではないと思うんですけれども、最後に大臣のご所見をお伺いしたいと思います」


石井国土交通大臣


「クルーズの振興を通じました訪日クルーズ顧客の拡大は国土交通省の重要政策のひとつであり、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
環境への配慮や地域住民の合意形成は、クルーズ船の寄港地開発に際して重要な要素であり、こうしたことに十分配慮して、進めるべきものと考えております。


宮本議員


「もちろんこの問題は本特別措置法の改正とは直接関わりはございません。我が党は本改正案には賛成をいたします。


しかし、私はいつから、港湾局は大手クルーズ船運営会社の下請け機関に成り下がったのかと情けなくなりました。


ロイヤルカリビアンクルーズ社から、クルーズ振興に関する主導を期待していると言われれば、たちまちその意向に沿って、奄美・徳之島に寄港候補地を選定する、しかも同じ一昨年の7月26日にはこの同じロイヤルカリビアンクルーズ社は、熊本県八代港とのカップリングで国土交通省から国際旅客船拠点形成港湾としての指定を受けております。
さらには昨年6月29日には、鹿児島港も国際旅客拠点形成港湾として指定され、今年3月9日には、鹿児島県がやはりこのロイヤルカリビアンクルーズ社と協定を締結した経緯、経過がございます。


八代、鹿児島、そして奄美と、超大型クルーズ船が運行される可能性が大だと思わなければなりません。くれぐれも国民から、住民よりも企業の意向を優先してると不信の目で見られることがないように、しっかりと情報公開し、説明責任を果たしたうえで、あくまで住民合意で進めることを強く求めて、私の質問を終わります」


※議会中継アーカイブはこちらです。
2:31:19秒あたりからこの瀬戸内町・西古見大型クルーズ船寄港地誘致問題についての質問になります。


http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48798&media_type&fbclid=IwAR2aBDGG_jSGsUU5u8eXTZBXqJiGrI6kuMZYotcAlm8a9SZnAEYrvFcOvZ8


(注:加計呂麻島でアマミノクロウサギに遭遇したという内容は、奄美大島でアマミノクロウサギと遭遇したという間違いではないかと推測されます。また、6月23日の答弁は6月22日の参議院での答弁と推測されます。)
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奄美の自然を守る会  


2019年02月19日

地方消滅論は老害たちの「言い訳」にすぎない(2018年11月15日:ダイヤモンド・オンライン)

地方消滅論は老害たちの「言い訳」にすぎない(2018年11月15日:ダイヤモンド・オンライン)

若い人たちは、ちゃんと価値のあるものを限られた範囲の量をつくって付加価値をつけるなど工夫していたりします。上の世代が「何もない」と言って放置していた自然を観光などでマネタイズしたり。どこにでもある都市よりも、よっぽど地方の価値を再評価してそれを新たな経済のあり方につなげています。

※全文はリンクよりお読みください。
https://diamond.jp/articles/-/185549


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Posted by saveamami at 09:00Webサイト記事持続可能な観光